車を運転するうえで、保険はとても大切な存在です。自賠責保険(強制保険)は法律で加入が義務付けられていて、事故の相手に対する最低限の補償をしてくれますが、それだけでは十分ではありません。例えば、相手への賠償額が高額になったり、自分や同乗者がケガをしてしまったり、車の修理費用がかかる場合、強制保険だけでは対応できないことが多いのです。そこで重要になってくるのが任意保険です。任意保険は、事故の規模や状況に合わせて幅広くサポートしてくれる、安心の保険です。いざというとき、自分や家族、そして周りの人を守るために、保険の選び方をきちんと考えることが大切です。本記事では、車と保険の関係や任意保険の必要性について、分かりやすくお伝えします。
任意保険ってそもそも何の保険?
任意保険の基礎知識と強制保険との違い
任意保険はその名の通り、自分の意思で加入する保険です。日本では自賠責保険(強制保険)の加入が義務付けられていますが、これは事故の相手方に対する最低限の補償を目的とした保険です。一方、任意保険は自賠責保険ではカバーしきれない部分を補うためのもので、補償範囲が非常に広いことが特徴です。
例えば、交通事故で相手に大きな損害を与えた場合、自賠責保険の上限額では足りないことがほとんどです。その際、任意保険に加入していれば、補償金額を追加でカバーすることができます。また、自分のケガや車両の修理費用といった「自分側の損害」に対する補償も含まれており、より安心して車を利用できる仕組みです。
任意保険でカバーできる補償内容
任意保険にはさまざまな補償内容が用意されていますが、大きく分けると次のような種類があります。
1.対人賠償保険
事故で他人を死傷させてしまった場合の補償です。自賠責保険ではカバーしきれない高額な賠償金にも対応できます。
2.対物賠償保険
他人の車や建物など、物を壊してしまった場合の補償です。特に最近では高級車や建物の修理費用が高額化しているため、十分な補償額を設定することが重要です。
3.人身傷害保険
事故によって自分や同乗者がケガをした場合に、過失割合に関係なく補償が受けられる保険です。医療費だけでなく、休業損害などもカバーされるため、安心感が違います。
4.車両保険
自分の車が事故や災害で損傷した場合に修理費用を補償してくれる保険です。盗難や自然災害にも対応するプランもあり、リスクに応じた選択が可能です。
任意保険はこうした複数の補償を組み合わせることで、自分に最適なプランを作れる柔軟性があります。
カーリースと保険の基本
では当サイトで紹介しているカーリースサービスと任意保険にどのような関連性があるのでしょうか?そもそもカーリースというのは、お客さんが選んだ車で契約期間を設定した後、月々のリース料金を支払うことで利用できるシステムのことを指し、初期費用を抑えられたりと車を手軽に乗れるメリットがあるのが特徴です。
そのためカーリースでも自賠責保険への加入は義務付けられており、月額の利用料に含まれているケースがほとんどです。任意保険については料金に含まれていないサービスもありますが、下記ページで解説している残価の観点からも任意保険には加入して置いた方が良いです。
https://carlease-hikaku.net/column/car-lease/
任意保険に入った方がいい理由①原状回復の必要がある
カーリースでは契約期間終了時に車を返却する際、契約時の状態に戻す「原状回復」が求められるのが一般的です。もし返却時に車両に傷や凹み、修理が必要な損傷がある場合、その費用を利用者が負担しなければなりません。このとき、車両保険を含む任意保険に加入していれば、事故や自然災害などで発生した修理費用を補償してもらえるため、大きな出費を防ぐことができます。
特に、リース車は定額制の利用が魅力ですが、返却時の追加費用は見落とされがちです。任意保険でリスクに備えておくことで、予期せぬトラブルが起きた場合でも安心です。
任意保険に入った方がいい理由②全損事故で強制解約になる
カーリースでは、全損事故を起こした場合に契約が強制解約となるケースがあります。全損事故とは、修理費用が車の価値を超えるような重大な損傷を受けた事故を指します。この場合、リース契約が終了するだけでなく、車の残価(契約終了時点での車の価値)や違約金を利用者が一括で支払う必要が出てくることがあります。
しかし、任意保険の車両保険に加入していれば、こうした残価や修理費用をカバーできる場合があり、経済的な負担を大きく軽減できます。特にリース車は契約中もリース会社の所有物であるため、全損時のリスクは利用者側に直接跳ね返ってきます。任意保険は、万が一の事故が家計に大きな打撃を与えないための心強い備えと言えるでしょう。
任意保険に入った方がいい理由③事故を完全に防ぐことはできない
車は自分がどんなに気をつけて運転したり、運転技術に自信があったりしても事故を完全に防ぐのは非常に困難です。
なぜなら、どんなに優れたドライバーでも歩行者による急な飛び出しやほかのドライバーの不注意による運転に対しては、防ぎようがないからです。そんな時も任意保険に加入しておけば、補償が適用されるので安心といえるでしょう。
自賠責保険と任意保険の相場は?
自賠責保険の相場
まずは、自賠責保険の相場を見ていきましょう。前述したとおり、自賠責保険は法律によって、すべての車保有者に加入が義務付けられているものです。みずからにかかわることとして、しっかりと把握しておく必要があります。
保険期間 | 37か月 | 36か月 | 25か月 | 24か月 | 13か月 | 12か月 |
---|---|---|---|---|---|---|
料金 | 24,190円 | 23,690円 | 18,160円 | 17,650円 | 12,010円 | 11,500円 |
(損害保険料率算出機構「自賠責保険基準料率表」2023年1月届出参照)
上記のとおり、自賠責保険の相場は12,000円から24,000円程度であることがわかります。また、保険期間が1年延びるごとに料金が約6,000円ずつ高くなっていきます。
任意保険の相場
次に、任意保険の相場を見ていきましょう。前述したとおり、任意保険は運転者が任意で加入するものです。ご自身の年齢や車両保険の有無などと照らし合わせながら、表をご覧ください。
車両保険なし | 車両保険あり | ||
---|---|---|---|
25歳の平均保険料 | 68,739円 | 112,793円 | |
30歳の平均保険料 | 45,936円 | 79,241円 | |
35歳の平均保険料 | 45,542円 | 78,464円 | |
40歳の平均保険料 | 41,959円 | 79,829円 |
(SBI損保「自動車保険」保険始期が2023年1〜12月の純新規契約者集計データ2024年8月時点参照)
上記のとおり、任意保険の相場は車両保険の有無によって倍近くの変動があります。また、加入する補償内容や年齢によっても料金が大きく異なります。車に乗り始めた若い世代は保険料が高く、年齢を重ねていくにつれて低くなっていく傾向にあることがわかるでしょう。
保険料節約のコツ!任意保険の相場を安くする方法
任意保険の相場がわかったところで、続いては、保険料を節約するコツについて解説していきます。任意保険にはさまざまな種類や形態があるので、工夫によっては相場を安くすることもできるのです。
ネット型自動車保険
現在、代理店型の自動車保険で契約している方は、ネット型の自動車保険に変更することをおすすめします。ネット型の自動車保険は、ダイレクト型や通販型とも呼ばれています。
代理店型とネット型の違いはどこにあるのかというと、まず代理店型の自動車保険とは、ディーラーや保険代理店などを通して加入するタイプの自動車保険です。一方でネット型保険は、インターネットや電話を通して保険会社に直接申し込みをして加入するタイプの自動車保険です。
それでは、ネット型の自動車保険だとどうして保険料が安くなるのかというと、それは間に代理店を挟まないため、代理店手数料などのコストをカットできるからです。年間で数万円も保険料を節約できるケースもあります。
エコノミー型
車両保険の種類を「エコノミー型」に変更することでも、保険料を節約することができます。車両保険には「一般型」と「エコノミー型」の2種類が用意されていることがほとんどです。
車を購入したばかりの頃は一般型を勧められるということもあり、多くの方は一般型に加入しているでしょう。しかし、エコノミー型に変更したほうが保険料が節約できます。
エコノミー型は、一般型よりも補償範囲が狭い代わりに保険料が安くなるのが特徴です。具体的には、ガードレールにこすってしまったという単独事故には補償が適用されません。しかし、運転に慣れてきた方にはとくに心配はないでしょう。
免責金額を大きくする
免責金額を大きく設定し直すことで、保険料の節約につながります。免責金額とは、車を修理するときの自己負担額です。
たとえば、免責金額が5万円、修理代が50万円となった場合、車両保険を使うと5万円は自己負担し、残りの45万円が保険金として支払われます。また、損害額が免責金額以下の場合には保険金は支払われません。
免責金額を大きくすれば、事故の際に保険会社が支払う保険金が小さくなるので、その分、保険料も安くなるという仕組みです。
カーリース向け任意保険の選び方
最後は、カーリース向けの任意保険の選び方になります。下記で、いくつか選び方のポイントを解説していくので、参考にしてみましょう。
車両保険の加入がおすすめ
任意保険の中の1つでもある車両保険を選ぶのもおすすめとなります。上記でも説明したとおり、カーリースは返却する際に原状回復していることが義務付けられています。
そのため、車両保険に加入しておけば、事故や盗難などに対しても保険が適用されるのでおすすめです。ちなみに、車両保険は年齢や対象の車など、選ぶ内容によって保険料が変わってくるので、自分の用途や目的に合った条件をうまくシミュレーションしましょう。
割引が発生したり特約がある自動車保険
保険会社によっては、インターネット申込みや証券不発行で保険料が割引になったりする保険があるので、そちらの任意保険を選ぶのがおすすめとなります。
また、中には、自分が加害者になってしまった際に、弁護士費用や法律相談費用を補償してくれる弁護士特約などのオプションが付いてくるものもあるので、そのような任意保険もカーリース向けといえるでしょう。
困ったときは…
カーリースサービスの中には提携している保険会社を紹介してくれる会社もあります。どのように保険会社を選んだらいいのか分からない場合は、希望の車種と併せて確認してみるのも良いと思います。
まとめ
今回は、カーリースの任意保険の重要性や加入すべき理由などを中心に解説しました。カーリースは、初期費用を抑えたい方や維持管理が面倒な方におすすめです。
また、任意保険は、自賠責保険で足りないところをカバーしてくれる内容を選べば、快適なカーライフを楽しめるようになるはずです。ネットでは、自分に合ったプランをお試しで手軽に審査してくれるサービスもあるので、気になる方はそちらを活用しながら、任意保険の加入を検討しましょう。
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